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青い空白い雲
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「西郷どん」視聴率1桁! 安倍消費税増税の運命は?

2018年11月 4日号

牧太郎の青い空白い雲/691 

 勇壮な桜島をバックに「子供や孫たちに美しい伝統ある故郷(ふるさと)を引き渡していく!」と大声をあげ、自民党総裁選に出馬表明した安倍晋三首相(8月26日)。
 どう見ても大河ドラマ「西郷(せご)どん」を意識した田舎芝居としか思えない。
 その「大河」ならぬ"三級河川"ドラマみたいな出馬表明を"緊急番組"に仕立てあげ、仰々しく中継したNHK。スタジオでは、ご存じ"安倍べったり"の女性の政治記者が「鹿児島での出馬表明は地方創生を重視する姿勢を打ち出すため」「今年は明治維新から150年。明治維新ゆかりの地、鹿児島を(出馬表明の)発信の地とすることで"新しい国づくり"への意欲を示す狙いもあったのかと思う」などと解説した。この出馬表明映像を再び流すため、午後4時に開始予定だった「オリンピックコンサート」の放送を2分遅らせるサービスぶりだった。
 今や「皆様のNHK」は「アベ様のNHK」に成り下がった?
    ×  ×  ×
 安倍首相が利用?した大河ドラマ「西郷どん」(10月7日放送の第37話)の平均視聴率は9・9%だった。大河ドラマの視聴率が1桁台を記録するのは2015年の「花燃ゆ」以来3年ぶりのことである。
 確かに、幕末と戦国と義経ばかりの大河ドラマ。飽き飽きする。それにしても、視聴率1桁とは情けない。
 ネットジャーナリストの藤原かずえさんによると、大河ドラマの初回視聴率に0・882を掛けると年間平均視聴率を予測できる!という。「西郷どん」の初回視聴率は歴代ワースト2位の15・4%。この「学説」に従うと、平均視聴率は10%台の前半になるのだが......。「9・9%」とは、学説を裏切る「落ち込み」になるかもしれない。
 しかも「視聴率予測の神さま」と呼ばれるこの人物は、別の分析手法を用いてもっとシビアな数字も弾(はじ)き出している。
 ドラマが描く「時代」(鎌倉か、室町か、戦国か、江戸か、幕末か......)や、主人公の「身分」(天下人なのか、それとも庶民なのか......)、それに「出世度」「性別」「死因」(最期は非業の死なのか、それとも大往生なのか)などの要素を加えて計算すると、視聴率をより正確に予測できるという。「西郷どん」の年間平均視聴率予測は、史上最低の8・6%。今年1月の初回の放映後に予測している。
 実は、大河ドラマは「放送時期」が視聴率に微妙に関係する。大まかに言えば「高度成長期」には視聴率が低く、「バブル期」になると高くなって、「不況期」に入ると、また低くなる。
 どうやら、人々は「高度成長期」や「不況」の時には、大河ドラマなどを悠長に観(み)ていられない。
「西郷どん」の不人気は「経済環境」とも関係しているのだろう。
    ×  ×  ×
 不景気である。
 某信用金庫の社員は「ことしの年末はめっぽう忙しくなる」と話す。カネを借りている中小企業が「返済のために」新たな融資を要求してくる。ことしの年末は「借り換え」倍増の気配だ。
 アベノミクスは大嘘(おおうそ)で、大企業が儲(もう)かっても「おこぼれ」が中小企業に回らない。
 そんな中で「平成の西郷どん」を気取る安倍首相は改めて「今度こそ消費税増税を実施する!」と宣言した。多分、オリンピック景気に期待しているのだろう。
 確かにオリンピックのチケット、関連グッズ、イベントなどの価格に2%の消費税が上乗せされる。2%高くなっても飛ぶように売れるだろう。
 首都圏では特需になるが、地方はほとんど恩恵を受けない。地方の人は、東京へ行って見る、買う、食べる、という消費行動を起こすから、地方でカネを使わない。
 東京中心に五輪インフレが起きるかもしれない。でも、物価が高騰しても収入は上がらないから、消費者は貯蓄・節約型の生活にならざるを得ない。
 不景気→消費税増税→オリンピック後の大不況......前回〈家計簿みたいな単純な収支計算で国家予算を配分する財務省。平気で、安倍さんの「お友達のために」法外な補助金を提供する財務省。そんな彼らが「増税する!」と言っても、誰がついてくるのだろうか〉と書いた。(「『全体主義』のシンボル消費税増税? 冗談じゃねェぞ!」)
 当方ばかりではない。人々は「財務省主導の消費税」に腹を立てている。
 増税断行!で、安倍政権は選挙に勝てるのか?
 安倍・消費税増税の運命や如何(いか)に!

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