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青い空白い雲
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たかが週刊誌!されど週刊文春!だから「苦言」を?

2018年2月25日号

牧太郎の青い空白い雲/657 

 安倍首相ベッタリといわれる元TBS記者・山口敬之氏の"準強姦(ごうかん)・逮捕もみ消し"疑惑。野党は衆院予算委員会で「伊藤詩織さんへの準強姦疑惑は山口氏が安倍首相に近い人物だからこそもみ消された」などと追及したが、安倍さんはノラリクラリ。最後は「週刊誌報道をもとに質問するな!」で逃げ切った。
「たかが週刊誌!」と言いたいのだろう。しかし昨今、「時代」を動かしているのは大新聞ではなく(まだまだネットでもなく)、週刊誌報道である。記者会見を無批判で報道する大新聞より常識破りの週刊誌報道のほうが面白い。信憑(しんぴょう)性もある。
 野党の面々は「週刊誌報道だから質問しているんだ!」と開き直るべきだ。
    ×  ×  ×
「週刊文春は日本一の週刊誌だ」と言ったら、サンデー毎日の城倉編集長は怒るだろう。でも正直言って、週刊文春のスキャンダル報道は群を抜いている。
 例えば、1984年の「疑惑の銃弾」。週刊文春は「ロサンゼルスで起こった銃撃事件は夫が仕組んだ保険金殺人ではないか?」と告発した。日本中が「ロス疑惑」に夢中になった。
 2002年には「元愛人の赤裸々手記、山崎拓『変態行為』懇願テープとおぞましい写真 愛人同行で外遊も!」。これも衝撃だった。愛人のホステスの前で、天下の自民党幹事長が「政治家に就いてなかったら猥褻(わいせつ)ビデオの男優になっていた」などと自慢する(山崎氏はこの記事を事実無根!と訴えたが、一審で訴訟を取り下げている)。
 最近では......。16年のゴールデンウイーク特大号である。当時の都知事・舛添要一が毎週末に神奈川県足柄下郡湯河原町にある別荘へ「公用車で通っていた」とスクープした。これがキッカケとなって、舛添さんは辞任に追い込まれた。
 ともかく、週刊文春のスキャンダル報道が「時代」を変えている。サンデー毎日も、かつて「女性スキャンダル」で時の首相を退陣に追い込んだこともあるが、週刊文春の「手柄」は質量共に日本一である。
 しかも、常に「権力」と対峙(たいじ)している。だから、週刊文春を尊敬している。
    ×  ×  ×
 でも......。「文春砲」と言うのだそうだが......最近の週刊文春の「不倫」報道には飽き飽きしている。
 音楽プロデューサー、小室哲哉さんが「文春砲」の餌食になって引退宣言をした時、気の毒に思った人が多かったのだろう、ネットでは、批判の矢は週刊文春に向けられた。
 そんな「文春砲」大嫌いの雰囲気に乗って、"独裁首相"は「週刊誌をもとに質問するな!」と開き直った。
 週刊誌は部数を増やすためにウソを書いている!というのが「権力者」の言い分だ。
 部数を増やす? 
 いくら偉そうなこと言っても、週刊誌は「売れてナンボ」である。部数を増やすのは目的だ。だから「隠された事実」を報道する。
 不倫報道は自由である。「権力者」の言い分に萎縮することはない!
 でも、週刊文春に申し上げたい。
「不倫」には「売れる不倫」と「売れない不倫」がある。話題がテレビ、ネットに波及して、一見「大騒ぎ」になったように思えても、これが週刊誌の部数に跳ね返るとは限らない。
 夜も寝ないで「不倫の現場」を隠し撮りする記者の皆さんには「くたびれ儲(もう)け」になってしまう。
 週刊文春の記者さんにやがて「閉塞(へいそく)感」が......。
    ×  ×  ×
「売れる不倫」だけにしてくれ!
 取材を命じられる記者さんも、読者も、そう思っている。
 戦時中、日本では男と女が手をつないでいれば「国賊」と言われ、密告された。あの頃と同じように「文春砲」は「不倫は国賊!」と言わんばかりだが......。「不倫」は誰でもやっている? と思う。大々的に報道するような出来事ではないのではないか。
 昨今は「不倫報道で完売!」なんてことはまずない(週刊文春の場合、駅売りの80%以上売れたら完売らしいが)。
 聞くところによれば、昨年、最大の週刊誌のヒットは、週刊新潮が3週連続で掲載した「誤嚥(ごえん)性肺炎」モノだったとか。
 賢い読者の中には「不倫報道」に飽き飽きして、週刊誌にカネを使わない!と決めている人もいるのではあるまいか?
 つい週刊文春だから文句を言ってみた。ゴメンね(笑)。

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