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人生の四季
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「ジャパニーズ・ホスピタリティ」

2017年12月31日号

一条真也の「人生の四季」 110 

 師走のあわただしい中、六本木ヒルズのハリウッド大学院大学で講義をした。昨年に続く2回目の出講で、「冠婚葬祭のホスピタリティ(おもてなし)」がテーマである。
 受講生は外国人が多かったが、拙著『決定版おもてなし入門』(実業之日本社)の内容を中心に話した。
わたしは創業70年を数えるホテルの3代目として生まれ、幼少の頃はホテル内に住んでいた。だから、「おもてなし」という言葉は物心ついた頃から耳にしていた。
 現在は、冠婚葬祭の会社を経営している。冠婚葬祭の根本をなすのは「礼」の精神で、古代中国で孔子が説いた教えである。平たくいえば、わが社のミッションになっている「人間尊重」ということになる。
 本業がホスピタリティ・サービスの提供なので、わが社では、お客様を大切にする「こころ」はもちろん、それを「かたち」にすることを何よりも重んじている。
 日本人の「こころ」は神道・仏教・儒教の三つによって支えられているというのが、わが持論だ。そして、「おもてなし」にもそれらの教えが入り込んでいる。
 たとえば、神道の「神祭」では、物言わぬ神に対して、お神酒や米や野菜などの神饌(しんせん)を捧(ささ)げる。この「察する」という心こそ、「おもてなし」の源流と言えるのではないか。
 また、仏教には無私の心で相手に施す「無財の七施」がある。さらに前述した「礼」の精神は儒教の核心そのものだ。これらすべてが、日本の「おもてなし」文化を支えている。
 かつての日本は、黄金の国として「ジパング」と称された。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、今後は「こころの国ジパング」を目指したいものである。
「ジャパニーズ・ホスピタリティ」としての「おもてなし」は、人類が21世紀において平和で幸福な社会をつくるための最大のキーワードだ。その中心的役割を担うのは、わたしたち日本人ではないだろうか。
 

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