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青い空白い雲
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アメリカ"戦争ビジネス"のために税金を払うなんて...

2017年10月 1日号

牧太郎の青い空白い雲 637 

 夏は嫌な季節だ。「暑いから」ではない。今年のように「長雨に祟(たた)られたから」というわけでもない。
 嫌な理由は「納税の季節」だからだ。
 7月31日に平成29年の所得税(第1期)が銀行口座から引き落とされた。貸しビルを経営していることもあって、8月には法人税、法人事業税、法人住民税。個人として消費税、個人事業税、住民税......。めちゃくちゃ多い。何とか払い終えたが......。
 ともかく、税金は多い。税金は高い。
    ×  ×  ×
 納税は義務である。所得の再配分という意味もある。でも、今年は払いたくない気分だった。
 理由は二つある。一つは、7月5日、「森友疑惑」から安倍首相を守り切り、その"褒美"として佐川(宣寿(のぶひさ)・前財務省理財局長)さんが国税庁長官に栄転した。国会答弁で野党側の追及をノラ~リクラ~リとはぐらかし「記録はない!」と言い続けた佐川さん。 "悪人"である。
 その"悪人"が「適正・公平」を何よりも求められる国税庁のトップになるなんて......。冗談は顔だけにしてくれ!
「日々、納税者の方々からさまざまなご意見をいただく中で、長官就任に関するご意見があることは承知しております」と国税庁の広報は頭を下げているが、佐川さん、平気で就任記者会見を拒否した。腹が立つ。
 もっとも、知り合いの風俗店のオヤジは「税務調査を受けたら、知らぬ存ぜぬを貫けばいいんだろ。佐川が、国会で身をもって教えてくれたじゃないか」と大笑いするが......。正直、税金なんて払いたくない。
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 二つ目の理由は、前回「トランプ暴走の危機? 日米地位協定を破棄しなければ」と書いた「日米の軍事同盟」に深く関係する。
「米朝緊張」を背景に、来年度予算で、防衛省は5兆円を超える概算要求。今まで以上に、アメリカの軍事産業にカネをばら撒(ま)くのだ。まさに「湯水のように」である。
 とくに気になるのは、在日米軍駐留の経費である。算定方法にもよるが、冷戦崩壊後、日米同盟を理由に日本側が支払った経費は、思いやり予算を含め、米軍の経費、湾岸戦争、米軍再編に伴うコスト......などで、おおむね15兆円を超えているといわれる。
 前回、ドイツ、イタリアも米軍の基地を受け入れていることに触れたが、駐留基地の経費の「約75%」を負担しているのは世界広しといえども日本だけだ。韓国ですら「約40%」である。「75%」は、金額にすると約7250億円。それどころか、トランプ大統領は安倍首相に対して「100%、日本が持て!」と言っている。
 前回、「日米地位協定を破棄して、独立国としてモノを言うべきではないだろうか」と書いた。当たり前だ。7250億円も払ってアメリカの言いなり。それでなくても、日本は経済的に破綻する。
    ×  ×  ×
 戦後70年以上たっても、外国軍の駐留を許している独立国家なんて、どうかしている。
 米軍駐留経費7250億円をせめて半分にすれば、医療費が、 介護保険費が......なんて、短絡的なことを言うつもりはない。安全保障には、それなりの「負担」を覚悟しなければならない。
 対アメリカの外交努力で「策」はある。例えば、段階的に在日米軍基地をなくし、在日米軍を自衛隊基地に移し「日本の主権」の下で、共同管理運営するのも一案だろう(寺島実郎・日本総合研究所会長らが提案している)。
 軍事同盟には限界がある。強い国は弱い国が引き起こす「軍事的紛争」に巻き込まれないように用心する。弱い国は強い国から「見捨てられないように」とビクビクする。
 有り体にいえば、安倍内閣は、中国が圧力をかければ「北朝鮮の暴走」は収まるはず、と勘違いしている。
 そもそも、北朝鮮は「中朝友好協力相互援助条約」を信じていない。「軍事同盟」を信じていない。
 もし信じていれば、北朝鮮は中国の「核の傘」に守られる道を選ぶ。信じていないから、中国を怒らせてでも核開発を続けるのだ。中朝関係に限れば「軍事同盟」なんて、絵に描いた餅なのだ。
    ×  ×  ×
 日本は「本当の独立国家」になるべきだ。これは安倍首相流の「形だけの国家主義」とはまったく違う。日本は「成熟した民主主義国家」になることだ。
 そうなれば、日本人は気持ちよく税金を払うだろう。

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