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人生の四季
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 「サン・ジョルディの日に本を贈る」

2017年4月30日号

一条真也の「人生の四季」 77 

 4月23日は「サン・ジョルディの日」である。もともとは、スペインのカタルーニャ地方におけるキリスト教の聖人・聖ゲオルギオス(サン・ジョルディ)の聖名祝日だ。
 この日は「本の日」とも呼ばれ、親しい人に本を贈る記念日とされている。20世紀後半、この風習は「サン・ジョルディの日」の名とともに日本へも紹介された。スペインからの提案に基づいて、ユネスコは、4月23日を「世界図書・著作権デー」(世界本の日)に制定している。
 本を贈るのも、贈られるのも素敵(すてき)なことだ。本一冊が仕上がるまでには、いろいろな人の手を経て、たいへんな手間がかかっている。
 どの本にも、著者の想いがあり、編集者の想いがあり、デザイナーも営業スタッフも、本にかかわったみんなの想いが込められている。
 どんな本にも書かれた意味があり、出版されないほうがよかった本など一冊もないと思う。それぞれ著者や出版社の想いがあって書店に並んでいる。それを感じることができるかどうかが大切である。
「であい」という言葉は、人間の場合は「出会い」、人間以外のものの場合は「出合い」と書く。私は、人との「出会い」も、本との「出合い」も、すべては縁なのだと思う。無数ともいえる本の中から、一冊が選ばれるなんて、すごいことだ。
 たとえ、下らないと思える本でも知らないことや驚くことが一つはあるもの。すべてのページが自分に有益でなければいけないなんて欲張ってはいけない。いくら初心者向けの入門書だって、自分が知らないことが一つは書いてある。それを見つけるだけでも価値があるのではないか。
 重要なのは読み手と本との相性であり、本との出合い方によって、すべての本が大切なのだ。本を必要とか不必要と分けることはできない。
 今年のサン・ジョルディの日、わたしは、わが最新刊『人生の修め方』(日本経済新聞出版社)を親しい方々に贈ろうと思っている。

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