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人生の四季
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「台北の孔子廟を訪れて」

2017年4月 2日号

一条真也の「人生の四季」 73 

 先日、台湾を訪れた。わが社の創立50周年を記念した社員旅行である。3班に分け、そのうち2回、わたしが社長として参加したのだ。
 台北市を中心にさまざまな観光スポットを回ったが、最も強く印象に残ったのが「孔子廟(びょう)」であった。
 儒教の創始者である孔子を祀(まつ)る霊廟だが、本国である中国はもとより、韓国、日本、ベトナム、マレーシアの各地にも建立されている。
 台湾にも複数の孔子廟が存在しているようだが、今回は台北市内にある孔子廟に参拝した。
 わたしは、これまで日本各地の孔子廟を参拝しているが、このたびの台湾旅行でも、どうしても訪れたかったのが孔子廟であった。
 台北市の孔子廟の建立は1879年。しかし、日本統治時代に病院へと変わり、1907年には取り壊されて学校となった。その後、29年に再建され、大成殿が完成。翌年以降、門や明倫堂が建てられ、2008年の修復を経て現在の姿となっている。実際に訪れてみると、わたしが想像していた以上の威容に圧倒された。
 わたしは冠婚葬祭の会社を経営している。日々、多くの結婚式や葬儀のお手伝いをさせていただいているが、冠婚葬祭の基本となる思想は「礼」である。「礼」とは、「人間尊重」ということだと思う。わが社のミッションも「人間尊重」だ。
 また、わたしは大学の客員教授として多くの日本人や中国人留学生に「孔子」の思想を教えてきた。孔子や『論語』についての本も書いてきた。それらの活動は、バラバラのようで、じつは全部つながっていると考える。すべては「天下布礼」ということ。人間尊重思想を広く世に広めることが「天下布礼」である。
 そんな想いや行動が認められて、12年には第2回「孔子文化賞」を受賞する栄誉に浴した。50周年というわが社にとっての節目に、孔子が説いた「礼」の精神をしっかりと守っていくことを台北の孔子廟で誓ったことは言うまでもない。

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