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人生の四季
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「隣人愛に乾杯!」

2017年3月12日号

一条真也の「人生の四季」70

 北九州の奥田知志さんが理事長を務めるNPO法人「抱樸(ほうぼく)」が第1回賀川豊彦賞を受賞された。
「抱樸」は、元「北九州ホームレス支援機構」である。経済的困窮や孤立に苦しむ路上生活者や生活保護世帯の子どもたち、十分な福祉を受けられず犯罪を繰り返す知的障害者などへの支援活動を展開してきた。
 奥田理事長はじめとするスタッフの奮闘ぶりがNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」などで紹介され、全国的に有名な組織である。
 奥田理事長はわたしと同年齢でもあり、これまでに何度も対談やシンポジウムなどでご一緒してきた。
「無縁社会」を乗り越える同志であり、戦友だと思っている。そんな彼が「賀川豊彦」の名を冠した賞を受賞されたことが本当に嬉(うれ)しい。
 賀川豊彦は、生涯にわたって社会的弱者の側に立ち、神戸のスラム街に住みつつ伝道と救貧活動を展開した社会運動家であり、作家である。
「友愛、互助、平和」を国内外で説きながら、国内では生活協同組合運動や農業協同組合運動をはじめ、さまざまな社会改革運動の先駆者として活躍した。世界最大の生協である「コープこうべ」や「JA共済」の創始者でもあり、ノーベル文学賞の候補に2回、平和賞の候補に3回もなっている。心から尊敬している。
 受賞パーティーの冒頭では、不肖わたしが登壇して挨拶(あいさつ)した。最初に、ソクラテス、孔子、ブッダ、イエスの「四大聖人」の話をした。
 それから、「今の世の中を見たら、ソクラテスは反知性主義へと流れる世界を嘆くでしょう。孔子は孤独死をなくす隣人交流の運動を行うでしょう。ブッダは自死をなくすために、グリーフケアを行うでしょう。そしてイエス・キリストは、確実にホームレスの方々、被災者の方々、困窮者の方々を支援する活動を展開すると思います」と述べた。
 まさに、NPO法人「抱樸」のみなさんは、現代における「隣人愛の実践者」だ。素晴らしき受賞に乾杯!

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