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人生の四季
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 「聖徳太子像の建立」

2017年2月19日号

一条真也の「人生の四季」 67

 わたしの父である佐久間進(サンレーグループ会長)は、聖徳太子をこよなく尊敬している。そして、聖徳太子が制定した「十七条憲法」の「和を以て貴しと為す」という言葉を座右の銘としている。そんな父が、このたび聖徳太子像を建立し、先日、清祓祭(せいばつさい)が行われた。場所は北九州市門司にある皇産霊神社の境内だ。
「北九州のミケランジェロ」と呼ばれる名工・三島平三郎氏が彫った。「以和為貴」「日出和國之教主」と刻まれた碑とともに建てられた聖徳太子像は威厳のある顔つきである。
 聖徳太子の真価は、神道・仏教・儒教の三大宗教を平和的に編集し、「和」の国家構想を描いたことにある。聖徳太子は、まさに宗教における偉大な編集者であった。儒教によって社会制度の調停をはかり、仏教によって人心の内的不安を解消する。すなわち心の部分を仏教で、社会の部分を儒教で、そして自然と人間の循環調停を神道が担う。三つの宗教がそれぞれ平和分担するという「和」の宗教国家構想を説いたのである。
 この太子が行った宗教における編集作業は日本人の精神的伝統となり、鎌倉時代に起こった武士道、江戸時代の商人思想である石門心学、そして今日まで日本人の生活習慣に根づいている冠婚葬祭といったように、さまざまな形で開花していった。
 わが社は冠婚葬祭業であるが、そのルーツは聖徳太子にさかのぼると言っても過言ではない。ハイブリッド宗教としての「日本教」の開祖こそ聖徳太子なのである。
 太子の実在を疑う見方も多く、その実像はきわめて謎に満ちているが、わたしは聖徳太子とは虚像も実像も超越した「和」のシンボルのような超人であると思っている。
 伝説で語られる太子のキャラクターの中には、ブッダも孔子も老子もイエスさえも、その面影を見ることができる。まさに、聖徳太子とはあらゆる宗教や民族の対立を超えて「和」を実現する「理想の聖人」であり、「夢の聖人」なのだろう。

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