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テレビ探偵
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美女・ペネロープの声は黒柳徹子だった

2015年9月13日号

泉麻人のテレビ探偵 連載71

 50年の節目にちなんだという「サンダーバード」のリメーク版がNHKで始まった。タイトルの「サンダーバード ARE GO」は、オープニングの決まり文句でもある。
 CGを使ったこの新作の話にいく前に、僕の世代はなんといっても旧作の人形劇が思い出深い。人形劇とはいえ、イギリスのジェリー・アンダーソンのチームが制作したサンダーバードは、わが日本の「ひょっこりひょうたん島」とはかなりイメージの違ったもので、"スーパーマリオネーション"とも称された。
 イギリスでの制作は1965年だが、日本で放送が始まったのは66年4月、当時も局はNHK(翌年からTBSでリピートされる)で、日曜の夜6時台という黄金の時間帯(てなもんや三度笠、シャボン玉ホリデーなどがひしめいていた)だった。
 この年、日曜の7時台は「ウルトラQ」が始まった年でもあり、とくに翌年秋からのシリーズ第3弾「ウルトラセブン」の戦闘機や装置にはサンダーバードの影響が色濃く見受けられた。
 1号から5号までのサンダーバード機(他にジェットモグラなどの人気マシンもあったが)のなかで、圧倒的に人気があったのは2号。後年のスペースシャトルにも似た流線型の美しいフォルム、名目は単なる輸送機なのにいつも中心的な働きをする。
 この2号がヤシの並木をなぎたおして離陸、トロピカルなプールの底が開いてロケット型の1号が姿を現す......発進のシーンは目を皿のようにして観たものだったが、ストーリー全般は小4くらいの子供にはちょっと難解なところもあった。
 妻を早くに亡くした元空軍パイロット、ジェフ・トレーシーが土木や建築業で成功を収め、一種の慈善事業として5人の息子とともに秘密の国際救助隊を始める......なんて設定の物語。時代は2065年ごろのことのようだが、全般に007調のスノッブなオトナのムードが漂っている。
 26歳の長男スコットを筆頭とする5人兄弟は、末っ子のアランが21歳という年代のようだが、いまの感覚だと年以上にオッサンぽい。濃い人形の顔だちは、どことなく「ザ・ガードマン」の藤巻潤や倉石功を思わせる。今回のCGによるリメーク版、昔の面影は留(とど)めているものの、体型はソフトマッチョなクリスティアーノ・ロナウドっぽいセンに統一されて、若々しい風貌になった。とくに末っ子のアランはハイティーンの少年くらいの雰囲気で、兄貴たちにオミソ扱いにされている。
 サンダーバードには、ペネロープとミンミンという2人の美女キャラがいた。ミンミンは今回、ケーヨという武闘女子に置きかえられたようだが、ピンク色のロールスをカスタマイズしたスーパーカー・FAB1に乗るオシャレ諜報(ちようほう)員のペネロープは健在。ちなみに旧作でペネロープの声をやっていたのは黒柳徹子なのだ。ペネロープのオシャベリな母親、みたいな役柄で登場してほしいね。日本版だけのオプションでもいいから。
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 ■人物略歴
 ◇いずみ・あさと
 1956年、東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、テレビ雑誌編集者を経て、フリーのコラムニストに。東京を中心にした街歩き、現代風俗などを中心に執筆。近著は『還暦シェアハウス』

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