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社会 柔道国際審判の天野安喜子さん 兼業する花火師と柔道の共通点

2021年2月 7日号

 昨年12月、柔道男子66㌔級の東京五輪代表として出場を決めたのは、阿部一二三選手(23)。延長を含む24分で大内刈りからの優勢勝ちで丸山城志郎選手(27)を破った。

 試合の主審を務めた国際柔道連盟審判員の天野安喜子さん(50)にウェブ会議システムで聞いた。

「両選手に二つずつ指導を与え、あと一つ取られたら敗北という時点で、2人とも逃げる消極姿勢が全くなく、すごい気迫でした。時間経過など頭にありませんでした。敗れた丸山選手が『力を出し切った』と言ってくれたのがうれしかった」

 講道館(東京都文京区)で異例の無観客試合だった。

「無観客、しかもたった1試合(で五輪代表を決める)というのは、今まで経験したことがない空気感でした。主審を引き受けるのは覚悟が要りましたが、断って自分があの畳にいないことのほうが想像できませんでした」

 現役時代は48㌔級と52㌔級。共立女子高(同千代田区)1年の時、国内無敵だった山口香選手(のちソウル五輪3位)を開始10秒で背負い投げに仕留めて一躍注目された。1986年の福岡国際女子選手権で3位に入賞するなど活躍し、日本大の卒業とともに引退。花火師の父親から勧められて柔道審判の道へ進み、北京五輪では男子100㌔級決勝の主審を務めた。

 小学生の頃から「父のようなかっこいい花火師になりたい」とも思っていたという。父親は「鍵屋」という屋号の花火業を営む。大学卒業後、他社で花火製造の修業をした後、家業を継ぎ、今は約100人の職人を統括する。

「絶対に事故を起こしてはならない危険な花火で、私が迷えば現場は混乱します。柔道も審判が迷えば選手は不安になります。迷わない覚悟という意味で共通しますね」

 東京五輪に向けては「畳から離れると感覚が狂うので、なるたけ審判を多くして臨みたい」。異色の「二足のわらじ」は準備に余念がない。

(粟野仁雄)

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