社会詳細

News Navi
loading...

創業者生誕地で「サミット」開催 愛されて60年「チキンラーメン」

2018年9月16日号

 今や世界中で年間1000億食が消費される即席麺。その元祖である「チキンラーメン」が8月25日、誕生から60年を迎えた。

 戦後の闇市では、ラーメン屋台に長蛇の列ができた。「手軽に食べられるラーメンを作りたい」。そう思案していた日清食品の創業者会長、故・安藤百福(ももふく)さんは、大阪府池田市の自宅で妻がてんぷらを揚げているのを見て「瞬間湯熱乾燥法」を思いつく。
 開発に苦心したが、鳥ガラスープなどで味をつけためんを揚げて固め、袋詰めにし、「お湯をかけるだけ」という「元祖」チキンラーメンを売り出した。1958年8月25日のことだった。国鉄の初乗り運賃が10円、うどんは1玉6円の時代に35円もしたが、冷蔵庫が普及途上にあった時代に常温保存でき、スーパーに並べやすく、高度経済成長期の多忙なサラリーマンにも重宝された。
 後年、明星食品などが別袋にスープを入れたタイプを発売、さらにサンヨー食品の「サッポロ一番しょうゆ味」が当たるが、日清食品も「出前一丁」で巻き返しを図る。日清食品は71年にラーメン鉢のいらないカップヌードルを考案・発売すると大ヒットし、他社もこれに追随。今も袋麺とともに各社が激しいシェア争いをしている。
「カップヌードルミュージアム」(安藤百福発明記念館、池田市)に本部を置く世界ラーメン協会(WINA)は8月23日まで2日間、大阪市で世界ラーメンサミットを開いた。「栄養価が低いイメージがある」などの注文がつき、同協会の安藤宏基(こうき)会長(日清食品ホールディングス社長)は、父がモットーとした「簡便」「安価」などに加えて「栄養」「環境保全」を追求することを宣言した。
 まずは、プラスチックごみが大問題の昨今、カップを微生物が分解できる自然素材に変えていく。還暦を過ぎても、課題は尽きない。
(粟野仁雄)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

コラム