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政府の「仮想通貨」規制に懸念 フィンテックの開発熱奪う恐れ

2016年5月22日号

政府が3月に閣議決定した「ビットコイン」など仮想通貨規制を含む資金決済法改正案に対し、業界関係者などから危惧の声が上がっている。
 改正案は仮想通貨を使った不正取引の取り締まりを強めている先進各国に倣ったもの。現金と仮想通貨を交換する取引所を金融庁の検査対象とし、口座開設時に本人確認や取引記録を義務付けるなどの規制を設ける。
 ただ、改正案では取引量が大きいビットコインだけでなく、ほとんど流通していないおもちゃのような仮想通貨まで取り締まりの対象となる可能性が高い。というのも、仮想通貨は世界に1000種類以上あるといわれ、条文に特定の仮想通貨を掲げるのが難しく、法の運用面でも個別の取り締まりが困難だからだ。
「(法案策定に携わった金融庁には)面倒を避けるために、一律で取り締まる方が楽だとの考えがあった」(仮想通貨に詳しい弁護士)
 一方、ITを活用した金融サービス「フィンテック」業界からは、「仮想通貨を使ったサービス作りに取り組む"日曜プログラマー"や、若者たちの開発熱を奪いかねない」(関係者)と、一律的な取り締まりに異論も出ている。
 例えばインターネット掲示板「2ちゃんねる」発の仮想通貨「モナーコイン」の勉強会には、大勢の高校生や大学生が詰め掛ける。彼らは将来、新たなフィンテックを立ち上げる可能性がある。実際、米国ではそうした若者が起業し、成功を収めるケースもある。
 だが、全ての仮想通貨が規制対象になれば、趣味的な開発も法的に"グレー"になりかねず、「結果として新しいことに挑戦しづらくなる、という意見が省庁の仮想通貨研究会でも出ていた」(関係者)。
 今回の規制は「義務教育段階からのプログラミング教育等のIT教育」を掲げる政府の成長戦略とも齟齬(そご)を来す。新しい法律が若者の可能性を摘み取ることのないよう、今後も注意が必要だろう。
(大堀達也)

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