お知らせ

サンデー毎日5月3日号は4月21日発売。

編集長後記

 映画監督の大林宣彦さんを取材したのは、10年前の春。音楽家、ショパンへの敬愛が熱かった。中学時代、「英雄ポロネーズ」を、口に含んだケチャップを吐きながら弾き、ピアノ1台を駄目にしたと教えてくれた。結核を患うショパンを再現しようとした演出だった。

 先日、82歳で亡くなった大林さんは、根っからの「映画人」だったのだ。近年の作品には、軍国少年の反省から平和への思いを込めたとも聞いた。「時をかける少女」などの映像も「日常」への賛歌だったのだろう。

 コロナの時代に大林さんがいないのはさびしい。でも、作品で描いた生きる喜びを次世代が引き継ぐ番だ、と言われている気もする。

(坂巻士朗)