お知らせ

サンデー毎日4月12日号は3月31日発売。

編集長後記

 出版のPublishは、Publicが語源だと聞きました。雑誌もまた、「公器」であると思っています。

 あの晩、外気に比べて汗ばむような雰囲気に包まれていました。2009年5月、上智大の大教室。「週刊誌はこのままなくなってしまうのか」。そんな刺激的なシンポジウムが開かれ、主だった週刊誌の編集長が一堂に集まったのです。「売れてナンボの世界」という、強気の声が飛び出す一方で、おしなべて発行部数の急減など、厳しい環境が述べられました。そして、一様に口にしたのが、雑誌が得意としてきたルポルタージュの退潮でした。

 思い返せば、あの時感じた熱気とは、危機感の共有と、その状況をなんとか打ち破りたいという決意がない交ぜになった摩擦熱でした。

 それから9年後、弊誌の編集を任されました。週刊誌の命脈はスクープだと思っています。ただ、おいそれと放てるわけではありません。ふと甦(よみがえ)るあの日の熱気。思い至ったのが「雑誌ジャーナリズムの復権!」でした。

 さまざまな書き手の方々のご協力を仰ぎ、読みごたえのあるルポ、評論をお届けしたい――。立ち位置、考えは違っても、何ごとにもとらわれない自由な精神を持つ一芸の人たちが集う「アジール」(統治権力ですら侵すことのできない自由領域)のような誌面を志しました。その一環として、表紙、ロゴデザインなども見直してきたところです。

 今号を最後に編集長職を降ります。この間、記事を通して何かしらをお届けできたとしたら、これほどありがたいことはありません。

 個人的な話ですが20年ほど前、ある雑誌の立ち上げに関わり、半年で休刊に至らしめた苦い記憶があります。連載原稿をいただいた作家の浅田次郎さんからこう声をかけられました。

「やるべきことをやったのならいい。全力を尽くさなかった経験は、生涯のコンプレックスになるものだよ」

 その時は恥ずかしさにうなだれるだけでした。けれども今は違います。

 後任には坂巻士朗が就きます。「コロナ」など大変な時代ですが、2年後の創刊100年に向けて、「復権!」とは違った新風を吹き込んでくれることでしょう。また、四半世紀にわたって誌面を支えてくれたデスクの堀和世は新たな道に踏み出します。

 読者の皆さま、ありがとうございました。誌面をお手にとっていただいてはじめて、「公器」たるゆえんなのですから。引き続き『サンデー毎日』のご愛読をお願いいたします。

(隈元浩彦)

.....................................................................................................................

 ◇サンデー毎日 2020年 大学入試情報掲載予定

4月19日号(4月7日発売)

全国3000高校の有名大合格実績一覧

4月26日号(4月14日発売)

国公立大医学部に強い高校

5月3日号(4月21日発売)

有名私立高校の難関大合格実績一覧

.....................................................................................................................